認知行動療法とは?
苦しいときに「ものの見方や考え方、行動」に少し手を加えることで、気持ちを楽にして、心を強くすることができる。
認知行動療法の考え方の基本は「事実の受け止め方は、自分の状態に影響する」。
感情を過剰に大きくする考え方や行動があるのではないか?と考えて、改善に取り組むことで、心の調整力を鍛える方法と言える。
ABC モデル
日本語名 | ネガティブな受けとめ | ポジティブな受けとめ | |
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Activating Event | 事実(状況・出来事) | 上司に挨拶したが、上司は何も言わずに通り過ぎた | |
Beliefe | 認知(考え・信念) | 上司は自分のことを嫌ってるかもしれない | たまたま聞こえなかったのだろう |
Consequence | 結果としての感情や行動 | 不安になる | 気にしないので何も変わらない |
認知には3つの深さがある
自動思考 | その時々で瞬間的に自然に浮かぶ考え |
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背景としての前提やルール | 日常の行動や発想の基準となる考え |
中核概念 | 価値観。私たちが自分の経験を意味づけようとする土台。感情体験で活性化 |
問題は「嫌な感情」そのものではない
- 不安や抑うつ、怒りなどの感情は問題ではない
- 感情を過剰に大きくしてしまったり、囚われていることが問題
- パターンかした考えや行動を見直して、「自分の心の調整力」を鍛えることが大切
- 「嫌な感情」とうまく付き合っていくことが大切
認知行動療法の進み方
- 自分の状況を整理して、客観的に観察する
- 考え方のクセをつかんで、考え方を変化させる
- 目標を立てて、行動を変化させる
自分の状況を整理して、観察する
状況確認シート
自分の状況を整理して、観察するために使う。苦しみから一歩離れる。
活動記録表
過去の状況や反応を振り返り、未来の自分の反応を予測し、未来の対応を望ましい方向に修正していく。
どうなりたいかの目標を定める
- 「どうしたい」「どうなりたい」の目標を書き出す
- 「実現可能な良い目標」に絞り込んでいく
- できそうなことをゆっくりと積み上げていく
良い目標のポイント
Specific | 特定の、具体的な |
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Measurable | 達成の程度を測定できる工夫 |
Able | できそう |
Relevant | 自分の問題と関連していて、意味を感じられる |
Timed | 実行する期間、タイミング、頻度など |
考え方のクセを知り、柔軟にしていく
人は考え方のクセを持っている。自分の考えのクセを客観的に把握し、そのクセの強さを適度に緩められるようにする。
新しい考え方をつかむ
ステップ① | 「私は○○と考えている」で考えをつかむ | 捉えどころのない思考を掴み、客観的に自分を見る |
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ステップ② | ステップ①でつかんだ考えに対して、さまざまな質問をする | 自動思考の事実・根拠、反証、メリット、デメリットなど |
ステップ③ | 別の考え方を選び直す | 自分を説得するのではなく、納得できる考えを見つけることが大切 |
ステップ④ | 新しい考え方を馴染ませる | 繰り返し思い出し続けるような工夫を一定期間続け、変化を確認する |
思考記録表
自分の気持ちを記録して振り返られるようにする。
行動について
行動を変えるなら、「変化が起こりやすい状況」を準備することが有効。
行動モデル
「きっかけ」「行動」「結果」の3つのステップで示す。
行動の3タイプ
問題解決に取り組む
大切なのは、何かしら自分ができることに取り組むことで、気持ちが整えられるようになることです。
問題解決シート